まるでジェット戦闘機のような流線形の先頭部分や、旅客機にも似た断面円筒形の胴体が無茶苦茶カッコいい500系は、JR西日本が開発した営業運転時の最高時速300kmを誇る我が国最速の新幹線です。おそらく、世界で一番スタイリッシュな高速鉄道車両でしょう。ほかの新幹線とは一線を画したそのカッコよさは、いまでも子どもたちを引きつけて止みません。子どもたちといえば、知る人ぞ知るキャラクター、
愛の舞踏家ドンファンが思い出されます。テレビ東京系の子ども向けテレビ番組
「のりスタ は〜い!」で、子どもたちといっしょにダンスしまくる筋骨隆々の
愛の舞踏家ドンファンは「新幹線のパワー」を身につけるために、500系新幹線をモチーフにしたコスチュームを着用しています
(コスチュームのデザインは何回か変更されています)。500系がこだま用車両になって、各駅停車でゆったり走るようになったら、ドンファンのコスチュームもN700系などへ変更したほうがよいかもしれませんね。
10年前の技術では、最高時速300kmを実現するために、500系のような流線形フォルムが必要だったのですが、現在の21世紀の技術では、そこまで車体形状を絞り込む必要はなく、最新型新幹線N700系のように、そこそこ流線形の先頭部に断面方形の胴体でも充分に最高時速300kmで走行することができるそうです。500系の胴体断面は円筒形なので、500系の自由席や普通指定席に乗るとわかるのですが、窓側座席の空間はやはり狭いです。とくに海側の3列席の窓側に座って、座席が満員状態だと「うわぁー狭い」と思います。頭の上に車体の壁が覆い被さっているので圧迫感があり、窓側に押しつけられながら座らされているような気がします。荷物用の棚も、窓側座席のひとにはちょっと使いづらい感じです。それと、先頭車両が尖った流線形をしているので運転席うしろに旅客乗降ドアがありません。先頭車両と最後尾車両のお客さんは、1つのドアから全員降りなくてはなりません。
そうした営業面での不具合を500系新幹線が数々もっているとしても、神がかりなほどにカッコいい500系が、各駅停車の「こだま」として運転されるというのはショックですね。1960年代生まれのhassan父にとっては、0系新幹線が夢の超特急だったように、現代の新幹線も日本の子どもたちにとって夢の超特急であり続けて欲しいです。実用性を重視した、そこそこにカッコいいN700系が「のぞみ」として時速300kmで走り、時速300kmで走るためにこの世に生まれてきた500系が「こだま」になってN700系の通過待ちをする。平成の夢の超特急が、ふつうの各駅停車に成り下がるのは、まだちょっと時期尚早のような気がします。せめて、1990年台後半に小学生1年生だった子どもが20歳以上のおとなになる2010年すぎぐらいまでは、500系をそっとしてあげてほしいような…。
現在9編成が運用されている500系「のぞみ」は、山陽新幹線限定の「こだま」として走るべく、徐々に改装工事のために姿を消していくことでしょう。お父さん、お母さん。新幹線が大好きな子どものために、たとえ乗る機会がなくても、ぜひ今のうちに500系新幹線を見せてあげてください。JRの駅の入場券は、大人120円〜160円・小人60円〜80円と、駅によってちがうようですが、わずかな料金で新幹線が大好きな子どもなら数時間も見学を楽しめることでしょう。
500系のぞみが停車する駅となるとかなり限定されるのですが、できれば停車時間の長い駅で見学したいものです。もちろん、始発駅の東京駅か博多駅がベストですが、新大阪駅の博多行きホームも、おすすめだと思います。東京から運転してきたJR東海の運転士さんが、JR西日本の運転士と交代するので、そのようすも見ることができますし、東京行きのホームとくらべれば混雑していないので、先頭車両付近で記念写真も撮影しやすいと思います。また、となりのホームからは、山陽新幹線限定の0系や100系の「こだま」が発車するので、0系や100系も近くで見ることができます。ただ、見学の際は、子どもたちの安全に充分注意してください。新幹線は猛スピードで走行しています。ホームに入ってくるときも、出発していくときも、16両編成だとかなりの速度に達していますので非常に危険です。絶対にホームの安全柵から身を乗り出したり、安全柵にもたれたり、ホームの端に立ったりしないように気をつけてください。また、乗降客の迷惑にならないよう、列車運行業務の邪魔にけっしてならないよう、節度ある控えめな態度での見学を心掛けましょう。
500系が「こだま」に降格されることによって、現在、山陽新幹線でこだまとして6編成が運用されている0系・100系の車両が影響を受けるのは確実です。初代の0系は現役から完全に引退することになるのでしょう。とすれば、なんとか機会をみつけて、いまのうちに0系新幹線に子どもを乗せてあげたいものです。さて、来年の今頃は、緑とグレーに塗りなおされた500系こだまが新大阪―博多間をゆっくり走っているのでしょうか。たとえ500系がこだまになったとしても、できれば、車体のカラーリングは現在のブルーとグレーのツートンカラーのままでいてほしい…と思うのは私だけでしょうか。