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hassanのお出かけメモ:数少ないhassan一家のお出かけのときに見聞きしたことや、もしかしたら皆さんのお役に立つかもしれない情報を、hassan父とhassan母が気まぐれに書き留めています。

30. 子どもたちのために博物館を応援しよう

2008年3月現在、大阪府は財政再建のためとして、府立施設のうち図書館以外のものはいらないという考えで、博物館などの施設の廃止・売却や、運営の見直しを進めようとしています。大阪府立の博物館には、弥生文化博物館、近つ飛鳥博物館、狭山池博物館、泉北考古資料館などがあります。大阪府が計上した2008年7月までの暫定予算にはイベント開催などの事業費がまったく含まれていないので、それらの博物館で予定されていた春季特別展や関連イベントが中止になりました。また、夏以降の予算も未定なので、秋季特別展なども開催できないだろうといわれています。
大阪の歴史研究者が集う大阪歴史学会は、この状況に危機感を覚えると同時に博物館の存続と事業の継続を訴える必要があると考えて、学識経験者や学会(大阪歴史学会・大阪歴史科学協議会・古代学研究会・日本史研究会・歴史科学協議会)の連名で、2008年3月6日に大阪府知事・大阪府教育委員会教育長あての要望書を提出しました。また、この連名者が発起人となって「大阪府の博物館を支援する会」をつくって学会や研究者に広く賛同を求め、広く一般のかたに署名を募っています(※署名締め切り:2008年7月31日まで延長されました)。私たちの子どもたちのために、未来の子どもたちのために、大阪の博物館を応援しましょう。
会名
大阪府の博物館を支援する会
署名送付先
〒536-8799 大阪市北区梅田3-2-4 大阪中央郵便局留め
会のブログ
http://osakahakubutukan.blog.shinobi.jp/
署名運動
署名用紙 (PDF)
資料
大阪府の博物館施設「見直し」に対する要望書 (PDF)

大阪府立弥生文化博物館は、国の史跡に指定されている弥生時代の遺跡、池上曽根遺跡(いけがみそねいせき)に建つ博物館で、日本でただひとつの弥生文化専門の博物館です。大阪府立近つ飛鳥博物館は、国の史跡に指定されている古墳時代の群集墳、一須賀古墳群(いちすかこふんぐん)がひろがる「近つ飛鳥風土記の丘(ちかつあすかふどきのおか)」に建つ博物館で、5世紀の大王陵が集中する百舌鳥・古市古墳群(もず・ふるいちこふんぐん)や6世紀〜7世紀の「王陵の谷」といわれる磯長谷古墳群(しながだにこふんぐん)を擁する大阪の古墳文化を未来へと継承する博物館です。大阪府立狭山池博物館は、大阪府の史跡名勝に指定されている飛鳥時代に築かれた日本最古のダム式のため池、狭山池(さやまいけ)に建つ博物館で、狭山池から出土した大形の遺構を移築保存し、古代から受け継がれてきた貴重な土木遺産・文化遺産を未来へと継承する土地開発史専門の博物館です。大阪府立泉北考古資料館は、泉北丘陵一帯にひろがる古墳時代の須恵器(すえき)コンビナート、陶邑窯跡群(すえむらかまあとぐん)の出土資料を公開する資料館です。
このように、大阪府立の博物館は、まちの中枢部に資料を集めて展示する「中央博物館」のようなスタイルをとらず、それぞれの時代の代表的な遺跡に建ち、そこから出土した文化財を現地で保存・展示する「サイトミュージアム」として開設、運営されてきました。これは、大阪府下の大規模な開発工事が遺跡でおこなわれたために埋蔵文化財の記録保存が必要となり、そのための発掘調査で貴重な文化財が出土し、これを歴史的な環境と一体化して現地で保存しようという理念にもとづいた博物館の設置・運営方針によるものです。一部のマスコミでは、さも無計画な無駄遣いのように報道されていましたが、開発のために失われかけた歴史的な文化遺産を守り次世代へと継承していく責務を、これまでの大阪府が立派に果たしてきた結果なのです。
大阪は、奈良・京都とならんで、古代日本の政治・文化の中枢として機能していました。大阪の文化遺産は、大阪府民だけにとどまらず、日本国民の文化的共有が保証されるべき、日本の貴重な文化的財産です。大阪府立の博物館には国の重要文化財大阪府の指定文化財がたくさん保管・展示されていて、巨大な古墳時代の修羅(しゅら)、長大な飛鳥時代の樋管(ひかん)や堤(つつみ)など、保存のためにきちんとした温湿度コントロールが要求されるものもあります。博物館ではこれらの文化遺産にもとづいて調査・研究をすすめ、毎年さまざまな特別展示を開催し、その成果をフィードバックするかたちで子どもたちの学習機会として体験教室ワークショップなども催されてきました。
府民・国民が、これらの歴史的文化遺産に触れて学ぶ機会を持つことは、日本人としての基本的な権利であり、これを継承・活用していくことは行政に科せられた責務だといえるでしょう。ですので、各博物館が必要とする運営費を「赤字」というような表現でマスコミは無責任な報道をしていましたが、そのような公共の利益を満たす重要な機能をもった公立の博物館は、そもそも最初から目先の利潤を追求する目的でつくられたのではありません。アミューズメントパークや博覧会とはちがいます。将来のわが国の子孫のために文化を保護・活用して継承していくために存在しているので、その投資効果はすぐに現れるのものではなく、年間の運営収支など金銭の額でかんたんに判断できません。
危機的な財政状況にある大阪府が、従来の府民サービスを0から見直すのは、やむを得ないことでしょう。大阪府の行政組織が機能しなくなってしまっては元も子もありません。こうした場合にいちばん手をつけやすいのが、府民の生命に直接的な影響をあたえない文化施策なのでしょう。でも、大阪の歴史、日本の歴史を証明する貴重な文化遺産を葬り去ることは、絶対にやってはいけない行為です。なぜなら、こうした文化遺産はいくらお金を積んでも手に入れることができない財産で、ほかに代えがたい財産なのです。そして、一度見捨てれば、もう二度と取り戻せないので、現代の私たちの都合でかんたんに捨ててしまうことはできません。私たちには未来の子孫に文化遺産を継承していく義務があります。そして、この国に生まれた私たちは、受け継がれてきた文化遺産を活用して、日本の豊かな文化の中で子どもたちを育てていく権利を持っているのです。
もし、大阪府の博物館の廃止・売却・縮小化が実施されてしまったら、財政の悪化に苦しむ他の都道府県や市町村でも、こうした文化の切り捨てにならって、公立博物館の運営をマイナス方向で見直すなどの悪影響が発生しかねないでしょう。また、文化財保護の軽視につながっていくおそれもあります。大阪だけの問題ではありません。歴史学研究者の方々が立ち上げた大阪府の博物館を支援する会署名運動に参加して、子どもたちのために博物館を応援しましょう!

(メモを書いた日/2008年3月10日 最終更新日/2008年4月25日)
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