このあいだ、和歌山県太地町のくじら博物館へ行ってクジラ大好き少年になった長男が、「ナガスクジラ」について調べようとインターネットでwebサーフィンをしていたら、大阪市立自然史博物館にその全身骨格が展示されているのを見つけました。そして、この博物館のサイトを観ていた長男は、
マンモスや
ナウマンゾウにも興味をもったようです。
- 「なあなあ、日本にマンモスおったん?」
- 「北海道でケナガマンモスのホネがみつかってるらしいけどなあ‥。ナウマンゾウやったら、たくさん日本にもおったそうやで」
- 「ナウマンゾウってどのくらい大きい?」
- 「う〜ん、せいぜい2メートルぐらいの高さやったらしいから、パパのクルマよりも少し大きいぐらいかな」
- 「なんや。あんまり大きくないやん。マンモスはもっと大きい?」
- 「ああ、大きいよ。長居の博物館にホネが展示してあるから観に行くか?」
- 「行きたい!行きたい!」
太地町立くじらの博物館で、
シロナガスクジラが世界最大の生きものだと知って、大きな動物にやたらと関心が出てきたようです。博物館や動物園などの大切さは、まさに身をもって知る、体全体で感じて実体験として学ぶことにあります。本やウェブで見て知識として頭で学んだだけでは、本当のことはわかりません。実体験をふまえて、興味を持ったことについて本を読んでさらに学ぶと、より深い理解が得られます。体で学ぶということは、その人が生涯忘れることのできないほどの影響を与える可能性すらあるのです。子どもと博物館や動物園などに行くと、それらの施設の大事さがほんとうによく理解できます。
大阪市立自然史博物館の1階には第1展示室・第2展示室があり、2階には第3展示室・第4展示室・第5展示室があります。第1展示室は、大阪の身近な自然に関する展示で、大阪に生息・繁茂する動植物などを紹介しています。第2展示室は、地球と生命の歴史に関する展示で、フロア中央部には、アロサウルス、ステゴサウルス、マンモス、ナウマンゾウ、オオツノジカなどの全身骨格が展示され、大迫力の展示構成になっています。この博物館は展示室内での写真撮影が許可されているので、アロサウルスの前でも、ナウマンゾウの前でも、トリケラトプスの頭骨の前でも、好きなポイントで記念撮影することができます。
2階の第3・第4・第5展示室は、生命の進化、自然のめぐみ、生き物のくらしに関する展示内容です。たとえば、琵琶湖で進化した魚たちについて解説する展示では、子どもが手で触れることのできる魚の模型などもあり、私が子どもの頃に来たときよりも、体感型の展示がかなり充実しています。最近の博物館で多く取り入れられているこうした体感型の展示では、手で触れることができるゆえに、すぐに模型やレプリカが壊されてしまって補修メンテナンスが追いつかずに放置されているケースも見られますが、大阪市立自然史博物館の体感型展示では、そのような箇所はないようです。そうしたことにも配慮して、展示資料自体がきっちり作りこまれているようです。
新館の花と緑と自然の情報センターに戻って、1階のネイチャースクエアへ。無料ゾーンのネイチャースクエアには、大阪の自然誌に関する常設展示があります。大阪の海や山、生きものや地層・岩石、近郊の自然観察コースについて学ぶことができます。
ネイチャースクエアの自然の情報コーナーでは、大阪で実際に観察できる生きものや化石・岩石などについて、図鑑・本やコンピュータで調べたり、大阪市立自然史博物館にある標本について検索することもできます。野外に出て自然観察をする前に情報を集めておいたり、採集してきた標本の種類を調べたり、いろいろな利用のしかたで子どもの学習に役立てることができるコーナーです。わからないことがあれば、カウンターにいる学芸員さんにすぐ質問することもできます。また、博物館旧館1階のミュージアムサービスセンターにも図書コーナーがあり、専門の学芸員さんが自然学習の相談に応じてくれます。この博物館では、こうした情報サービスが2段構えになっていて充実していますし、学芸員さんと来館者との距離がとても近くてフレンドリーな雰囲気です。
この日はとても天気がよかったので、博物館見学のあとは、長居植物園でお弁当をひろげてくつろいで、池にいるカメや白鳥にエサをあげたり、とても穏やかで楽しい1日を過ごすことができました。博物館と長居植物園の入場料が共通になっていて、おとな1人わずか300円の出費でこれだけ楽しめるので、満足度はかなり高いですね。