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hassanのお出かけメモ:数少ないhassan一家のお出かけのときに見聞きしたことや、もしかしたら皆さんのお役に立つかもしれない情報を、hassan父とhassan母が気まぐれに書き留めています。


35. 大阪市立海洋博物館 なにわの海の時空館

大阪南港に浮かぶような、大阪市立海洋博物館 なにわの海の時空館
大阪南港に浮かぶような、大阪市立海洋博物館 なにわの海の時空館
大阪南港にある大阪市立海洋博物館 なにわの海の時空館へ行ってきました。2000年7月のオープン以来、一度も訪れたことがなかったのですが、この夏は2回も家族で行ってきました。というのも、小学校1年生になったhassan長男に夏休みの宿題「自由工作」をやっつけさせる必要があるためです。2008年7月21日の海の日に常設展示をひととおり観て、8月23日に開催された「夏休み工作教室 六分儀(ろくぶんぎ)をつくろう! -チャレンジ!船乗り-」に長男が参加しました。
車で大阪南港ATC前の交差点を曲がると、博物館前の有料駐車場に到着です。駐車場から博物館までちょっと歩きます。すると、太陽の光を受けて青みがかった銀色に輝く巨大なガラスドームが、海上に突如現れます。大阪市立海洋博物館 なにわの海の時空館の展示棟です。展示棟のドームのすぐ向こうがわの海面を船が航行していて、とても雄大な景観です。この博物館の建物は、フランス人建築家ポール・アンドルーが設計しました。展示棟のドームは、英国構造技術者協会から、2002年の特別賞(Structural Special Award)を受賞しています。このガラスドームの組み立てには精度の高い作業が必要とされたため、兵庫県播磨市の専用施設で組み立てられ、1999年に瀬戸内海を約6時間半かけて船で曳航しながら、現在の場所まで海上輸送されたそうです。
大阪・海遊館
No.17 大阪・海遊館
丸1日遊べる大阪・海遊館とその周辺エリア。水族館で暑い日も涼しく楽しもう。
up 2006/09/09
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なにわの海の時空館のエントランス棟にある受付で、おとな1名600円入館料金を支払うと、チケットの代わりに江戸時代の古銭レプリカを手渡されます。中学生以下は入館無料ですが、子どもにも、ひとまわり小さいサイズの古銭レプリカが用意されています。ゲート部に設置された「自動改札機」へ古銭レプリカを投入して有料スペースへ入ると、シースルータイプのエレベータが3基あります。展示棟ドームは海上にあるので、エレベータで地階へ下り、大阪湾の海底に掘られた長さ60mのトンネルを通って展示棟へと移動します。海底トンネルのところどころには、天窓があけられているので、魚やヒトデなどの海の生きものをみたり、探検気分を味わうこともできます。
なにわの海の時空館のエントランス棟
なにわの海の時空館のエントランス棟
エントランス棟外壁にあった博物館のロゴマーク
エントランス棟外壁にあった博物館のロゴマーク
海底トンネルからエスカレータで展示棟1階へ。展示棟ドームは、実物大で復元された江戸時代の木造船(もくぞうせん)菱垣廻船(ひがきかいせん)「浪華丸(なにわまる)を保存・展示するために設計・建築された建物です。このため、ドーム中央は1階から最上階まで巨大な吹き抜けになっていて、全長約30m、帆柱の高さ約27.5m、全幅約7.4m、重さ約90tの巨大な和船(わせん・日本独特の技法で造られた木造船)、「浪華丸」が鎮座しています。各階の展示施設は、この吹き抜けの周囲に配置されています。1階は「浪華丸」の船底のレベルになっていて、その周囲に3Dスーパーバーチャルシアター「海の映像館」と、シミュレーションシアター「海の冒険館」があり、ダイナミックに動くシートと迫力の映像を楽しむことができます(利用料金:おとな400円 中学生以下200円)
復元された菱垣廻船「浪華丸」
復元された菱垣廻船「浪華丸」
菱垣廻船とは、江戸時代「天下の台所」と呼ばれていた大坂(現在の大阪)から、人口100万人の世界最大の大都市になった江戸(現在の東京)へ生活物資を運んでいた弁才船(べざいせん・千石船)のことをいいます。和船を造っていた当時の船大工(ふなだいく)の技術を用いて忠実に復元して造られた菱垣廻船が、この展示棟ドームにある「浪華丸」です。菱垣廻船の「菱垣(ひがき)」とは、両舷に設けられた垣立(かきたつ)と呼ばれる欄干状の設備につけられた飾りに、木製の菱組格子(ひしぐみこうし)を組んでつかったことに由来するそうです。
展示棟ドームにそびえ立つ「浪華丸」の帆柱
展示棟ドームにそびえ立つ「浪華丸」の帆柱 (船尾から)
日本の船は、竜骨をもつヨーロッパの船とはまったくちがって、木をくり抜いただけの丸木船から、板材を連結したモノコック構造の船へと発展していく変遷を、古代から近世にかけてたどってきました。縄文時代・弥生時代以前からあった丸木の刳船(くりぶね)、古墳時代の船形埴輪(ふながたはにわ)にみられるような準構造船(じゅんこうぞうせん・船底に大きな丸木を用いた船)、平安時代の遣唐使船(けんとうしせん・中国系のジャンク船)、室町時代の遣明船(けんみんせん)からはじまる構造船(こうぞうせん・船底もすべて板材で構成される船)、戦国時代から軍船として建造された安宅船(あたけぶね)などの二形船(構造船)、江戸時代の商用貨物船である廻船(かいせん)に用いられた弁才船(べざいせん・構造船)など、伝統的な日本の船舶は和船と総称されています。和船の構造船では、板材を縦横に連結して造られるため、外板(がいはん)の面を平らになるようにつなぎ止める手法として「縫釘(ぬいくぎ)という技法が用いられていて、「浪華丸」でも正確に再現されています。
※参考文献1 石井謙治『日本の船を復元する 古代から近世まで』復元するシリーズ4 学習研究社2002
※参考文献2 石井謙治『図説 和船史話』至誠堂1983
※参考文献3 石井謙治『和船(ものと人間の文化史)1』法政大学出版局1995
※参考文献4 石井謙治『和船(ものと人間の文化史)2』法政大学出版局1995
小型の和船は、最近までわずかながらも造られ、使われてきました。船釘(ふなくぎ)の打ちかたや「マキハダ」「マキナワ」といった板の隙間を木の皮で埋める水密加工技術(すいみつかこうぎじゅつ)は、船大工のかたが伝承し、現代に伝えられています。しかし、菱垣廻船のような大型の和船は現存していないので、「浪華丸」は国立国会図書館に残されている19世紀に描かれた絵図面にもとづいて復元されました。ところで、江戸時代以前に航走していた大型の和船は残っていませんが、その部材は遺跡の発掘調査でみつかっています。大阪狭山市にある日本最古のダム形式のため池、狭山池(さやまいけ)の発掘調査で、戦国時代〜江戸時代はじめ頃の構造船部材がみつかり、板の連結のしかたや、大きな鉄製の船釘の寸法や形状が判明しました。狭山池の発掘調査で得られた大型の和船に関する細かなデータは、菱垣廻船「浪華丸」の復元建造にも役立っているそうです。狭山池で出土したこれらの和船の部材は、大阪府立狭山池博物館に展示・保存されています。
※参考文献 『狭山池 埋蔵文化財編』狭山池調査事務所1998
さて、展示棟の2階では、この「浪華丸」の中へ乗りこんで内部を見学することができます。船底はやや暗くて狭いところもあるので、入口でサーチライト付きヘルメットを借りて、いざ乗船。
「浪華丸」に乗りこんで船内を見学できます
「浪華丸」に乗りこんで船内を見学できます
「浪華丸」には、ちょんまげ姿の船乗りに扮した博物館のかたが待っていて、内部を案内してくれます。実はこの復元菱垣廻船、単なる博物館の展示品として造られたわけではありません。日立造船堺工場で15人の船大工さんが和船の伝統技法を駆使して建造した本物の和式帆船なので、ちゃんと海上を帆走航行することができるんです。この展示棟へ搬入される前、1999年7月から8月に大阪湾で海上帆走試験がおこなわれ、帆走性能がくわしく調べられました。
展示棟ドームのてっぺん
展示棟ドームのてっぺん
なにわの海の時空館の2階では「浪華丸」のほか、刳船から弁才船までの和船の移り変わりなどが展示・解説され、和船づくりの技術を体感するコーナーもあります。3階では、みなとを中心に栄えた江戸時代の商都大坂についてくわしく紹介されています。4階では、交易品や航海路をひらいた人々、船や航海術など、世界の海上交易・交流について展示されています。ひとつひとつの展示情報は、どれも学術的に深い内容があるものばかりなので、何度も足を運んで観覧したいものですね。
帆船「あこがれ」の元船長さんといっしょに本物の六分儀を体験
帆船「あこがれ」の元船長さんといっしょに本物の六分儀を体験
「夏休み工作教室 六分儀(ろくぶんぎ)をつくろう! -チャレンジ!船乗り-」に、hassan父の付き添いで小学校1年生の長男が参加しました。六分儀とは、18世紀に発明された航海計器です。21世紀の現代では、人工衛星をつかった全地球測位システムGPSが普及したので、世界中どこの海にいても自分の船がどこにいるのかがすぐにわかります。ですが、むかしの航海では、六分儀などを使った天体測定(てんたいそくてい)がたいせつな航海技術となっていました。今回の工作教室では、大阪市が建造・所有する練習帆船「あこがれ」の元船長さんから、天体の高度測定による船舶の緯度(いど)経度(けいど)の決定など、六分儀の船での使われかたについてお話しいただきました。また、博物館ボランティアのかたのご指導で、北極星の高度測定による緯度決定も体験学習することができました。「あこがれ」の元船長さんには、子ども一人一人に本物の六分儀のスコープで太陽をみせていただき、参加した子どもたちはとても喜んでいました。
北極星の高さと緯度測定について体験学習
北極星の高さと緯度測定について体験学習
そして、六分儀の工作です。海上保安庁 第八管区海上保安本部の提供によって博物館が作成した体験学習用の六分儀のプリントを、スチロール製ののりパネルに貼り付けて、目盛りや反射ミラーを取り付けて完成です。hassanちの長男を含めて、小学校低学年ぐらいの子どもたちは、ぎこちない手つきでカッターナイフなどの工具を使っていましたが、博物館ボランティアのかたが優しく丁寧にご指導くださって、なんとか無事に六分儀が完成しました。つぎに、手作りした六分儀での実技体験です。この日は雨が降ったり止んだりのあいにくの天候だったので、展示棟ドームのガラス越しに360°のパノラマで望むことができる大阪港を、子どもたちは各自がつくった六分儀で一生懸命に測っていました。灯台や焼却場の煙突、大阪・海遊館などの水平角度を計測して、大阪港の地図に落とし込み、分度器と三角定規を使って、自分の位置を調べます。
六分儀を工作してつくります
自分の六分儀をつくります
学芸員さんやボランティアのかたに助けていただいて、なんとかでき上がりました
学芸員さんやボランティアのかたに助けて
いただいて、なんとかでき上がりました
工作でつくった六分儀で大阪港を計測! 灯台や海遊館との水平角度を測ってみました。
工作でつくった六分儀で大阪港を計測! 灯台や海遊館との水平角度を測ってみました。
自分でつくった六分儀を用いての位置測定をおこなう体験学習でしたが、小学校低学年の子どもには、やや理解することが難しい課題だったようです。算数の授業で角度計測を学習する、小学校4年生以上の子どもならば、夏休みの自由研究課題として成果をとりまとめることができる体験学習だと思いました。この工作教室で学んだことを、たぶんあまり理解できていないと思われるhassanちの長男でしたが、とにもかくにも自分で作った六分儀をだいじそうに家へ持って帰り、いつまでも飽きずにあちこちを覗き込んでいて、とても満足したようすでした。
工作教室「すいすい菱垣廻船」
工作教室「すいすい菱垣廻船」
夏休み工作教室のほかにも、なにわの海の時空館ではさまざまな体験学習が催されています。たとえば、7月21日の海の日に催された工作教室「すいすい菱垣廻船」は、ふだんは団体客むけに実施されている学習メニューで、紙とストローと糸でかんたんな「からくりおもちゃ」をつくります。幼児でも参加することができて、4歳のhassan次男も楽しんでいました。
大阪港は、日本各地、世界中の国々と海でつながっています。この海を通じて、古代から文化を発展させてきたまち、大阪。みなさんも一度、大阪南港のATCなどでのショッピングついでに、なにわの海の時空館まで、ちょっと足をのばしてみて、大阪の海の歴史と文化にふれてみてはいかがでしょうか。
施設名
大阪市立海洋博物館 なにわの海の時空館
所在地
〒559-0034 大阪府大阪市住之江区南港北2-5-20
入館料
おとな(高校生以上)‥600円 中学生以下‥無料 大阪市内在住の65歳以上・障害者手帳をもつ人‥無料.
開館時間
午前10時〜午後5時(時期により変更あり)
休館日
月曜日(祝日の場合はその翌日)、年末年始
交通アクセス
大阪市営地下鉄中央線 コスモスクエア駅1号出口から約650m. ニュートラム南港ポートタウン線 トレードセンター前駅3号出口から約820m.
有料駐車場
博物館前にあるタイムズ駐車場を利用. 普通車(平日)‥1時間100円(最大500円), 普通車(土日祝)‥1時間100円(最大800円).
問い合わせ
大阪市立海洋博物館 なにわの海の時空館 〒559-0034 大阪府大阪市住之江区南港北2-5-20 TEL.06-4703-2900 FAX.06-4703-2901 E-mail:wasen@jikukan.or.jp
サイト
http://www.jikukan.or.jp/


※このページでご紹介している情報は2008年8月現在のものです。ご利用になるかた各人の責任においてご活用下さい。
(メモを書いた日/2008年8月28日)
大阪市立自然史博物館
No.32 大阪市立自然史博物館へいこう
太古の生きものたちと出会える博物館をご紹介。
up 2008/4/20
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