hassanのお出かけメモ
hassanのお出かけメモでは、数少ないhassan一家のお出かけのときに見聞きしたことや、もしかしたら皆さんのお役に立つかもしれない情報を、hassan父とhassan母が気まぐれに書き留めています。お出かけの参考になればうれしいです。
67. 大阪大学総合学術博物館ワークショップ 恐竜の復元画
大阪大学の豊中キャンパスにある大阪大学総合学術博物館で、2012年4月7日(土)から6月30日(土)まで、特別展「巨大ワニと恐竜の世界」が開催されています。2012年5月3日(祝)、hassan長男が特別展関連ワークショップ「恐竜の復元画」に参加することになり、hassan父が付き添いで出かけました。小学校5年生以上が対象のこのワークショップは事前申込制で、午前の部と午後の部それぞれ定員は20名でした。抽選漏れを予想していましたが、みごと当選。ゴールデンウィーク中なので、交通渋滞を見越して電車で移動し、阪急宝塚線石橋駅には午前9時すぎに到着しました。
午前の部の集合は、博物館開館時刻の午前10時30分。まだ、たっぷりと時間があるので、広大な大阪大学の豊中キャンパスを散策することにしました。待兼山にある豊中キャンパスへは仕事とかで何度か訪れたことがありましたが、「山」なので、散策するとなると坂道が多くて汗をかきます。大学の食堂は安くておいしかろうと、お昼の段取りを考えて食堂を探してみましたが、祝日なのでどこもかしこも閉店休業です。
長男は大学のキャンパス訪問初体験なので、キャンパスの中を自由に行き交う学生や一般のかたをみて「大学って勝手に中に入ってええのん?」「授業の時間割とかどんなん?」「なんであちこちに学校の建物たってんの?」などと、私にいっぱい質問してきました。学生個々人の責任に基づく大学の自由な気風についてや、単位制についてざっくり話しながら新緑の豊中キャンパスを親子で歩き回りました。

キャンパスの一角に建つ大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館
午前10時すぎに博物館まえにもどり、開館時刻まで待機。開館後、3階セミナー室まえの受付で名札をもらって室内へ。ワークショップ開始時刻まですこし時間があったので、おなじ3階の展示室で開催されている特別展「巨大ワニと恐竜の世界」をじっくり見学しました。「見てみ、ティラノサウルス・レックスとかタルボサウルスとか白亜紀の肉食恐竜の歯はごっついやろ~。斜め前の歯、犬歯みたいな歯をみてみ。アロサウルスとかジュラ紀の肉食恐竜より進化して、むちゃくちゃ長くなってるやろ。相手にかぶりついたとき、あの歯に力をかけながら首を振って噛みちぎるんやで、きっと」などと適当なことを長男に吹き込みながら、恐竜たちの骨格標本を観察しました。

恐竜漫画家の所十三さん
ワークショップの講師の先生は、週刊少年チャンピオンや週刊少年マガジンなどで活躍されている、恐竜漫画家の所十三先生です。フランクで楽しいお話しで、恐竜の骨格と、恐竜の生きていたときのすがたを骨格からどのように推定復元するのかについてお教えいただきました。
今回のワークショップの参加対象は小学校5年生以上なので、お父さんやお母さんも子どもといっしょに参加できます。わが家は、長男だけが当選したので、私は見学席で受講しました。

地下1階へおりる長いエスカレーターにのって、
3階セミナー室のワークショップ会場
所先生はビデオカメラを実物投影機のようにつかって、恐竜の復元画の描画方法を解説くださいました。頭骨図の上にトレーシングペーパーを敷き、骨のアウトラインのすこし外側を鉛筆でなぞっていきます。骨の出っ張ったところや、窪んだところには、それぞれ生きていたときの機能や役割が反映されているので、それを認識しながら、線をどう引くかを考える必要があるとのことです。
私たちが子どものころ、恐竜は爬虫類の祖先だと本に書いてありましたが、現在では、鳥類の祖先だと判明しています。また、私たちが子どもの頃に読んだ本には、ティラノサウルスは、ゴジラなどの怪獣のように尻尾を地面につけた状態で描かれていましたが、研究が進んだ結果、ティラノサウルスは尻尾を地面につけず、尻尾を水平に保った姿勢で歩き回っていたことがわかっています。このように、調査・研究が進むと、恐竜の推定復元図もどんどん修正されていきます。また、恐竜の皮膚の色がどんな色だったか、どんな質感だったかは、化石として情報に残らないため、ほとんどわかっていません。逆にいうと、恐竜のからだの色は自由に想像することができるんだと、所先生はおっしゃっていました。

先生のお話を聴きながら、恐竜復元画を描きます.
恐竜の外見は、骨格から推定しやすいというお話しもありました。たとえば、ほ乳類などは頭骨からその外見を想像することができないくらい、筋肉・脂肪・表皮によって形づくられる要素が多いけども、ヘビやトカゲなどの爬虫類は骨格のアウトラインと実際の外形が近く、恐竜も同じように考えられるとのことです。

アロサウルスの頭骨図の主要線から復元画を製作しました.
ですが、骨格からは推定しにくい部位もあります。たとえば、くちびるの肉付き加減です。映画や復元模型でよく見かけるティラノサウルスは、どう猛な鋭い歯をむき出しにした迫力ある姿で復元されることが多いのですが、これは本当はよくわからないのだそうです。爬虫類のコモドドラゴンの頭骨だけをみれば、肉食恐竜とそっくりな歯並びですが、生きているコモドドラゴンは分厚いくちびるのお肉があるので、口を閉めたときも開けたときも、鋭い歯はほとんどみえません。ですので、もしかしたら、ティラノサウルスやアロサウルスは、もっと分厚いくちびるで、かわいらしい口だったのかもしれません。
長男が描いたアロサウルスは、歯並びがちょっとだけみえる口元、上の方についた小さな目が特徴だそうです。皮膚の色は当たり障りのない茶色。うーん、もう少しひねりがあると楽しいような気もしますが、彼が納得しているのだから、よしとしましょう。
その後、所十三先生が恐竜漫画を制作・連載されていたときのラフ画を参加者全員にプレゼントいただきました。ワークショップ終了後は、子どもたちのリクエストに応じてサインまで書いていただきました。ありがとうございました。
2012年5月26日(土)には、小学生以上を対象にしたワークショップ「マチカネワニ復元の話&ティラノサウルス復元に挑戦」が催される予定で、その講師の先生、恐竜・古生物復元模型作家の徳川広和さんも5月3日のワークショップにヘルプでお越しでした。恐竜の立体復元もとても楽しみで、家族全員で申し込んでいたのですが、残念ながら抽選に漏れて参加できませんでした。また、同様の催しがあれば、ぜひチャレンジしてみたいと思います。
※このページでご紹介している情報は2012年5月21日現在までに、hassanが個人的に見聞きしたことを取りまとめたものです。ご利用になるかた各人の責任においてご活用下さい。