hassanのお出かけメモ
hassanのお出かけメモでは、数少ないhassan一家のお出かけのときに見聞きしたことや、もしかしたら皆さんのお役に立つかもしれない情報を、hassan父とhassan母が気まぐれに書き留めています。お出かけの参考になればうれしいです。
71. 富士総合火力演習2013
2013年8月24日(土)、陸上自衛隊の平成25年度富士総合火力演習(教育演習)を、hassan父・長男・次男で見学してきました。この催しは、毎年8月に東富士総合演習場で行われている陸上自衛隊の最大規模の演習で、8月25日(日)の公開日の一般見学枠5875人分には、11万6千人もの応募があり、その倍率はなんと19.7倍…。これは例年の倍率を大きく上回るそうで、「ガールズ&パンツァー」という、女の子が戦車に乗る人気アニメの効果だとも言われています。
hassanの入手チケットは、駐屯地駐車場利用券付きの青色チケット。前面シートという、地べたに座らねばならない券ですが、駐車場からは無料シャトルバスで会場へ運んでもらえるそうです。知り合いのかたの情報では、駐車場には午前5時すぎには到着したほうがよいらしく、当初の予定より早い前日午後11時すぎに大阪を出発することになりました。子どもたちは、車中泊しながら移動できますが、hassan父は1時間の仮眠後、徹夜で運転する強行軍です。名神・東名高速道路のサービスエリアで頻繁に休憩しながら、約6時間かけて静岡県まで移動しました。途中のサービスエリアでは、真夜中にもかかわらず、親子連れやお年寄りがたくさんおられ、驚きました。世界遺産登録が決定した富士山への弾丸登山ツアーが夏休み中なので大盛況なのです。
静岡県へ入ると、東の空が白くなり始めて夜が明けました。心配していた雨雲は東京のほうへ遠ざかってくれたようです。御殿場インターチェンジを下りて、コンビニで朝食&トイレ休憩。「あ、富士山や!」雲が晴れると、雄大な富士の頂きが神々しく現れ、はじめて間近に富士山の山体を見る子どもたちは早くも大よろこびです。

参加者に配られた『防衛ホーム』
2013年8月(8)号外 表紙
駐屯地駐車場には午前5時20分ごろに到着。富士急のバスが数台待機しています。入場チケットのチェックを受けて順番にバスへ乗車します。午前5時30分すぎ、3台のバスが駐車場を出発、演習場へ向かいます。演習場に到着すると、すでに多くの来場者がゲート外がわに列をつくっていました。あとで聞いた話では、会場一番乗りをめざす人は御殿場付近に前泊し、タクシーなどで会場へ来て、早朝から待機されているそうです。
青色チケットの私たちは、スタンド席ではなく、前面シート席といって、地面の上にシートが敷かれた地べたに座ることになります。流れのままに一番右がわのゲートの行列にならびました。
午前6時30分、場内からすさまじい爆音が響いてきました。90式戦車が砲撃を開始したのです。まだ場内のようすがみえないので、いつ戦車砲が発射されるのかわからないため、突然の轟音にびっくりしながら待機していると列が前方へ進み出しました。
一番右側のゲートを選んだのが幸いして、私たちは前面シート席の2列めに進むよう指示されました。が、進んでいくと、そこは1列めがなくなる右端のほうだったので、実質1列めの最前列だったのです。目前で、10式戦車や90式戦車が砲撃し、縦横に走りまわっています。
演習は午前10時から開始されるのですが、この日は午前6時30分からその予行が実施されていたので、まだ開始まで3時間以上もあるのに、まったく退屈しません。早朝の富士の裾野は、昨晩の雨が嘘のように晴れ渡り、バックに富士山の雄大なパノラマが広がる演習場の風景は、それだけで圧巻です。74式戦車の射撃が終わり、自走砲、迫撃砲、攻撃ヘリコプターのアパッチが登場して予行も一息つきました。
前列プルーシート席もじわじわと埋まってきたので、子どもたちを早めにトイレへ連れて行き、おみやげの「90式戦車まんじゅう」と自衛隊の帽子を買いに行きました。hassan母に持っていけと言われて持ってきた、小さなパイプ折りたたみ式の腰掛けを最初は子どもたちが使っていたのですが、地べたに三角座りしている後席のかたがたにご迷惑となるので、早々に撤去し、みな地べたに着座しました。分厚めの空気式ざぶとんとかが一番役立つようです。
周囲の観客をウォッチしていて、いちばん良さげに見えたのが、屋外用の背もたれ付き座椅子です。薄型ながら、きっちりと腰をサポートしていて、あれならば長時間の地べた座りをしても腰痛の心配が少なそうです。

88式地対艦誘導弾
演習開始時刻の午前10時ごろ、会場を見渡すと超満員。天気は早朝の予行のほうが良かったですが、本番の演習となるとやはり隊員のかたも観客も一段と気合いが入ります。目の前でぶっ放される10式・90式・74式戦車砲の衝撃は、生まれてはじめて体感するようなものすごい感覚です。ガギーンという金属音を伴った爆発的な砲弾の発射音とともに、露出している顔や腕の皮膚が一瞬強く押されるような、文字通りの衝撃波がいきなり襲ってくるのです。なので、カメラで砲弾発射の瞬間を捉えようとしても、発射時に腕が大きくブレてしまい、なかなか上手くファインダーの中に収まりません。
演習は大きく前段と後段に分かれていて、あいだに休憩が入ります。トイレ休憩に立つ人が多く、通路は大渋滞しています。「さっきオシッコ行っといてよかったなあ」子どもにそういうと、次男がすかさず「もう1回トイレ行きたい」と言うのです。あわてて行列に並ぶと、ものすごい渋滞にもかかわらず、一般客と自衛隊のかたが混在したその行列は、押し合いへし合いすることもなく、冷静にわずかに少しずつ前進しながら、秩序正しく保たれているのです。
後段のクライマックスは、演習に参加している全装備の突撃です。地上を戦車群が高速で進撃しつつ、上空から攻撃型へリが援護し、演習場を左から右へ突撃してきます。
演習終了後は、戦車などの装備品の展示があり、近くで写真撮影することもできますが、会場外の大渋滞を考えて早々に退出してしまいました。想像通り、駐車場までのシャトルバスへの乗車、駐車場から御殿場方面までの大渋滞はすさまじいものでした。あとで聞いた話では、装備品展示を楽しんだあとで会場を出ると、シャトルバスも混雑せずに乗れて、近隣の道路の渋滞もたいしたことなく、私たちが大阪に着いたのとあまり変わらない時刻に帰阪できたようです。
翌日の公開日は、雨天のため演習内容も一部省略されたようで、前日に堪能できた我々は好天に恵まれ幸運でした。
前日の勤務から丸2日のあいだ一睡もせずに行動し、大阪と静岡を自動車で往復するのは、かなり厳しく、無謀とも言える行動でした。サービスエリアで頻繁に休憩しながら運転しても、復路に襲ってくる睡魔は尋常ではありません。もし、来年も参加するならば、前夜は
富士山のみえる温泉にでも宿泊して、ゆったりと行動したいと思います。
※このページでご紹介している情報は2013年11月18日現在までに、hassanが個人的に見聞きしたことを取りまとめたものです。ご利用になるかた各人の責任においてご活用下さい。