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291 周回遅れ?
2005/6/19(日)20:32 - 埋文担当者S - adsl-1028.smn.enjoy.ne.jp - 13115 hit(s)

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中島様
まったくピントがずれているかもしれません。あらかじめ、お断りしておきます。

私自身は、70年代前半に大学で考古学を学んだにもかかわらず、プロセス考古学を全く理解できずに卒業し、地方自治体の埋蔵文化財担当者として遺跡を掘りまくりました。
でも、過去に私が調査した遺跡の情報を、十分に咀嚼し、還元できたか(情報を報告書に盛り込めたのか)、自問・反省の毎日です。

最近もっとも気になるのが、遺物のドット図です(西日本の特殊事情かもしれませんが)。
近年の測量器械・システムの発達により、以前手測りしていた時に比べ遺物の取り上げ作業が格段に進歩しました。
これによる遺物のドット図が、遺跡から情報を引き出すのに十分な役割を果たしているのか?
調査時の「所作」に終わってしまい、報告書に重要な情報が盛り込まれていないことがないのか?

遺物のドット図から、遺跡のありようを分析するのは、旧石器の調査では当たり前のことでしょう。
麻生優先生は、原位置論・ドット図の解析について「熱く」語られました。(もっとも、私が麻生先生の言を理解できたのは、最近になってからですが)

西日本の縄文遺跡では、遺構が検出できず「包含層」として扱われることが多いです。
でも、「目にみえない遺構」が存在する可能性はないのか? なぜ、遺物が集中出土するのか?
このような視点に立てば、現場での判断だけでなく、整理段階でもっと模索すべきではないのだろうか?

取り上げ時の「効率化」が、整理・報告書に反映されていないように感じるのは、ローカル性かもしれません。九州の報告書などは、出土状況がまめに報告されています。

ドット図の解析は、まさに「プロセス考古学」の一つではないのでしょうか?
同様の分析は製鉄遺跡で行われており、私のようなチャイルド考古学の末端にいた者でも、知ってか知らずか、プロセス考古学の方法論に係わっている状況です。が、すべての遺跡で当たり前のように実践されているわけではない。

約20年前に、すでに説かれていた方法が、未だに埋蔵文化財行政の発掘に反映され尽くしていない状況は、「周回遅れ」というべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
(先進地の人たちにとっては、「当たり前じゃん」と思うかもしれませんが、日本国中、すべてが同じ状況ではありませんので)


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