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覚書3 文化財担当者ゼロ

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弱小自治体のなかで孤軍奮闘している文化財担当者は本当に大変だ。文化財処理ロボットとして諾々と仕事をこなしていれば周囲とも摩擦をおこさず、毎日を楽に過ごせるのだろう。しかし、信念をもって仕事をして、その地域の文化財のために体を張れば張るほど職場で孤独な存在となっていく...という事例も聞く。どんなにがんばっても、役所の中では所詮認めてもらえない異端な存在でしかないのだろうか。
※この記事は当該自治体の内情を充分に把握しないままに書いている。ここで取り上げている問題を、一般的な問題として認識しているためである。もし、事実認識に誤りがあった場合は、webadmin@skao.netまでご指摘を。


この4月の人事異動で、ある市町村(市町村A)の文化財担当者の数が0人になった。専門的な知識をもった人員を近日中に補充する予定はなさそうだ。

市町村Aでは、近隣の市などと比較すると年間の本発掘調査件数は少ないようであるといえども、やはり、開発に伴う緊急発掘調査は発生しており、昨年度まで勤務していた1名の文化財担当者に課せられていた役割は大きい。
自治体内部にどのような理由があろうとも、緊急発掘調査が必要な開発が今後も発生する可能性がある市町村において、いままでその役目をきっちりと果たしてきた文化財担当者を、まったく関連性のない職場へ異動させてその欠員を補充しないとすれば、それはきわめて異例の事態といえよう。
百歩譲って、その異動先で彼の能力や専門性を必要としているためにやむを得ずおこなった人事異動であったとしても、ここまで国民の間に文化財保護の意識が定着してきたこの時代に、専門の文化財担当者を1名も配置しないというのはどうであろうか。
市町村Aには著名かつ重要な国の史跡も多くあり、今後ともその保全に努めていく必要がある。たとえ近々に埋蔵文化財の緊急調査がなかろうとも、この市町村内にある大切な文化財を保護していくためには、府県等の上級官庁の文化財担当者をあてにするだけではなく、地元で確実に保護を行うために、市町村に文化財の専門職員を常駐させておく必要があろう。

何年か前に、某国営放送で毎週日曜日よる8時に放映されていた歴史もののドラマがあった。第2次大戦前からよく知られているストーリー展開の舞台にもなっていたために、このテレビドラマのおかげで、市町村A周辺の地域は、歴史性豊かなイメージを国民の間に広く再認知してもらうことができた。これらの多くある史跡を観光資源としても認識したはずの市町村Aの幹部のかたがたは、郷土の歴史や遺跡なんかどうでもえぇ...とは思っていないはずだ。

今後、文化財の破壊が発生したときに、この市町村はどう対処するつもりなのか。府県の担当者だけではとても目が行き届かないのははっきりしているではないか。まさか、遺跡が破壊されても単に事務処理上のこととして済ますつもりなのだろうか。

今回のような、文化財保護行政を軽視し、後退させるような人員配置が、ほかの各自治体でも行われないように注意を促したい。
たとえ、財政的に苦しくなったとしても、各市町村の文化財は各市町村自身の力で守っていき、共有財産である文化財を活用していくという基本姿勢は崩さないでほしい。業務の合理化ということはあったとしても、専門的な技術・知識をもっている文化財担当職員の数をゼロにしては、やはりマズイと思うのだが。

(1999年4月20日)



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