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覚書6 選択される報道媒体

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●今までの報道 -仲介伝達される情報-

報道関係者は横柄だ。いままで接したことのある報道関係者がたまたまそうであっただけかもしれないが、横柄で無礼な人間が多いような気がする。「われわれマスコミが世論を形成しているのだ」と考えて、立法・司法・行政に次ぐ4番目の公権力だとでも考えているのかもしれないけど。

新聞記者は記者個人ごとにいろんなキャラクターが観察できるが、テレビ局の取材責任者のようなひとは某国営放送局と民営VHFと民営UHFでキャラクターが大別できるようだ(私が見たかぎり・・)。

いままでで一番偉そうで勘違いしてた人は某国営放送局の取材責任者だったと記憶している。発掘調査現場へテレビ撮影にやってきた某国営放送のその人は、現場事務所のプレハブに入ってくるなり、片手の指の間に煙草を挟んで胸を反らして周囲を一瞥したのち、開口一番大声で「おはよう」。あのなぁー。元気よく挨拶するのはええけど、見ず知らずの人達になんでそんな偉そうな挨拶の仕方すんねん。「おはようございます」やろ、やっぱり。別に私らあんたの部下と違うで。要はこの放送局は「撮影してやる。放送してやるのだ。ありがたく思いなさい」という姿勢で現場取材に臨んでいるのだ。

それと対照的なのが某民営UHF局だ。発掘現場で働く調査員・作業員の前に、取材責任者・レポーター・カメラマン・照明担当・音響担当などの撮影クルーが順番にあらわれて「おはようございます」「失礼します」「よろしくお願いします」と爽やかな挨拶をしていく。「撮影させてもらう」という姿勢がよくみてとれる。民営VHF各局はというと、おしなべて無愛想で無関心で、ちゃっちゃと仕事をこなしているといった感じだ。

新聞記者のかたは、ほんとうに多種多様で新聞社ごとにキャラクター分類するのはむつかしい。経験上いちばん腹が立ったのはE新聞社の遊軍記者の取材方法。どこから情報を得たのかだいたい検討ついてるけど、自社のカメラマンを立入禁止の工事現場に勝手に侵入させて報道提供前の調査中の遺構を撮影し、いきなりうちの組織の上層部の人間に「今日の夕刊1面に載せるつもりだから、もっとデータ寄越しなさい」とか言うのやめてほしかったなぁ。こっちの立場あらへんがな。うちの実家ではこの社の新聞を愛読してたけど、あのショックは一生忘れられへんから、我が家では絶対に購読しないことにしている。「販売員のおっちゃんが数ヶ月分の購読料をオマケすると言わはっても、絶対に契約したらアカン!」って、うちの相方に強く言い渡している(^^;。痛くも痒くもないやろうけど。
おかげで、その日から当分の間は大変だった。E新聞にスクープを許してしまったS新聞やR新聞の記者が、どこで調べたのか自宅へ毎晩電話取材してくるし。ちょっとぐらいなら別にいいけど午前0時前後にまで自宅へ電話攻勢かけてくるのはやめてほしいなぁ。記者の方々は徹夜して大変なんだろうけど、一般家庭では深夜はぐっすり睡眠しているか、テレホーダイでダイアルアップ接続しているのが常識なので(笑)。

でも、まぁ、夜討ち朝駆けしたり、スクープ狙って違法すれすれの取材したりするのも、彼ら記者が「我々が世論を形成しているのだ」というプライドをもって意気盛んに活動しているゆえだろうから仕方ないのだろう。取材される側と心を通わせて信頼関係を築き上げ、一生懸命勉強しながら取材に励む素晴らしい記者さんもいることだし、一概に取材方法を批判するわけにはいかない。

ところで、埋蔵文化財に関する報道は、上記のようなスクープ取材もたまにはあるだろうけど、基本的には各機関やお役所等からの報道提供にソースを頼っている。府県ならば庁舎内にかならず記者クラブがあるから、そこに報道提供資料を流し、取材しようと思った報道機関が記者発表の場に集まるわけだ。

各市町村の庁舎内には1つずつ記者クラブがあるわけではなく、大きめの市の庁舎に記者クラブがあってそこに各市町村の埋文担当者と広報担当者が報道提供資料をもって行くのだ。ちゃんとこちらの意図を理解して、報道提供を受ける記者もいれば、そうでない者もいる。「うちの新聞はおたくのとこの広報誌やないんやから。こんなしょうもない情報もって来んといてくれ」と無礼な応対をする記者もいる。なんだか記事掲載の陳情に行っているような感じだ。こっちは情報をちゃんと公開すべきだと考えたから足を運んだまでで、記事にしたくなければ勝手にすれば良いのだ。

こうした大きめの市町村等にある出先の記者クラブも、新聞各社の合理化のためゆえかどうか知らないが、数年前から記者の数が減っているようだ。記者を引き上げた社もあるようだ。足をまったく使わずに座ったまま電話だけで取材して記事を書くような横着な記者も以前からいるのだろうが、各地域の記者クラブに記者を張り付けない傾向が進めば、足を使わない記者がさらに増えて、きめ細かな取材活動は不可能になってくるだろう。こうして型にはめたような画一的な記事が新聞紙面に掲載されるのだ。いいかげんな取材をしている場合は、発掘調査で得られた情報を調査担当者の見解とはまったく異なった歪められた記事として報道してしまうことになる。

いままでは、調査者・研究者と不特定多数の情報の受け手とを結ぶルートが、新聞・テレビなどのマスメディアに事実上限られていた。埋蔵文化財関連の情報伝達に限ったことではないが、いまだにこうした情報のマスメディア独占的供給ともいうべき状況が続いている。マスメディアによる報道の影響力は大きいから、調査者・研究者諸氏は調査者側の正しい見解と発掘調査現場の正しい情報を世間一般に広く知らしめることに苦心してきたはずだ。

ところがいま現在、周知のように情報伝達手段の革新がなされつつある。情報発信者と最終的な情報受信者を仲介していた報道媒体を必要としないインターネットによる情報伝達方法は、いわば生産者直売の新鮮な農作物のようなものだ。加工されてラップにくるまれてスーパーマーケットの棚に並ぶ野菜を買うか、農家直売の土の付いた野菜を買うか、それを必要とする人が選択できるようになりつつあるのだ。

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●これからの報道 -発信者情報と仲介情報の併存-

農家のかたが汗と土にまみれて作った野菜。有機肥料で土を肥やして、もちろん農薬を使わない。朝一番に畑のそばで農家のおばちゃんが売る。トマトならトマトらしい青臭い味がして、大根なら大根らしい苦みがあり、その野菜本来のうま味がちゃんとする。スーパーマーケットでラップにくるまれて売られている形ばかりが綺麗な野菜とは較べものにならない。でも、このおいしい野菜には虫がときどき付いていたり、虫食いで葉っぱに穴があいていたりもする。無農薬だから当然。そういう点を嫌って、工業製品のように規格化された野菜を好んで食べる人もやっぱりいる。

どこの馬の骨が適当に書いたのかわからない便所の落書きのようなWebサイトの情報よりも、天下に名だたる大新聞社の記事や有名な出版社の刊行図書のほうが信頼できると言う人はまだまだ多いだろう。なおさら、公的な組織が情報を得ようとしたときには、どこそこの個人が出しているWebサイトの情報よりも、名の通った既存の情報媒体を選択することは目に見えている。実際、業務に関連する博物館関係の情報を探しているときに、検索サイトで検索をかけて、某大学のサーバにある個人のWebサイトに有用なデータリストを見つけた。「良いリストがありましたよ」と同僚に告げると、彼はよく見もせずに「そんなようわからんデータを信用したらあかんで」と一言で却下した。このような考え方には、内容変更が容易なデジタルデータを重要視しないカミがかりなペーパーデータ至上主義が影響しているのかもしれない。

また、単にネームバリュー重視とかブランド志向とかだけではなく、伝達の仲介段階で整理してとりまとめ、加工された情報をありがたがる需用者の動向も看過できない。だが、この点は情報媒体として信用を確立したWebサイトならば十分その機能を果たすことができるだろう。こうした状況を念頭に置いて、これからの埋蔵文化財の情報提供の役割分担を、即時性をもった報道的側面に絞って考えると次のようになる。もちろん、ここに挙げていない媒体(雑誌やパンフレットなど)による情報提供もデータの記録媒体として当分のあいだは有効であろうが、即時性・広報範囲の点で他の媒体にまったく太刀打ちできない。

報道機関の既存媒体による情報は速報性に優れ、受け手をほとんど選ばずに伝達される。しかし、テレビ・新聞などは、彼ら情報仲介者が重要なニュースとして認めないかぎり、全国くまなく配信しないだろう。かつ、情報の加工も必然的におこなわれる。報道機関のWebサイトは速報性・広報範囲の点で優れているが、伝達する情報の取捨選択・加工が既存媒体と同様に発生する。また、他のWebサイトによる情報も同様であるが、通信網が発展段階にあるために現段階では情報の受け手を限定してしまっているという課題を残している。公的機関等が運営するWebサイトによる情報は広報範囲・データの信頼性の点で優れている。今後の課題は、データ公開までに時間がかかりすぎることであろう。個人が運営するWebサイトによる情報は管理者個人の力量・能力に頼る面が大きいが、速報性・広報範囲の点で優れている。BBS等のコミュニケーション用コンテンツによって、情報の交換が容易にできる点も重要だ。だが、この媒体で開示されているデータの信頼性はサイト管理者とサイト利用者の学術的信用度に左右される。

今後の埋蔵文化財情報の即時的な報道は、おそらく上記の4通りの方法でおこなわれていくようになるだろう。新聞・テレビ・報道機関のWebサイトで個別の埋蔵文化財情報の存在と概要を確認し、国内各地の研究・調査機関や自治体が運営しているWebサイトでその情報の詳細を確認し、個人が運営するWebサイトで情報の検討をする。もちろん、情報の受け手側がこれらの報道媒体を選択して利用することが可能であるため、これからは、報道機関の既存媒体にさほどの存在意義がなくなっていくかもしれない。

これまでは、ある遺跡の発掘調査成果を報道提供したときに調査担当者が「現地説明会は●月●日と必ず記事に書いてくださいね」と記者のかたにお願いしても、刷り上がった新聞をみたらどの新聞も書いてくれずに見当はずれなことばかりが書かれていた・・ということが多々あったと思う。その記事を読んで遺跡の見学に行こうと思った人も、結局その調査機関に電話をかけるなどして現地説明会の実施要項を確認しなければならなかった。だが、これからインターネット利用環境がもっと整備されていけば、情報仲介者を通さずに、効率の良い正確な情報伝達ができるようになる。そのためには、各研究・調査機関や自治体はWebサイトをもっと有効に活用して情報公開に心がける必要があり、情報の受け手側(たとえば研究者)も積極的にこの媒体を選択していく必要があるだろう。

Webサイトの情報は生産者直売の新鮮な農作物のようなものだから、当然ながら虫や土も付いていることがある。これを承知の上で、食べる人の責任で洗ってからおいしく食べれば良いのだ。情報を受け取った人が次からは畑仕事に参加して肥料を蒔くようになれば(つまり情報提供に参加すれば)、もっとたくさんの農作物を実らせることができるはずだ。

(1999年9月16日)
おがみ大五郎


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